君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

アパートのヌシ

現在のアパートに住んで、足掛け10年になります。この地域には、娘が保育園で1歳児クラスに進級するタイミングで引っ越してきました。娘にとっては保育園時代、小学校時代と過ごし、意表を突いて公立中高一貫校に進学して今に至ります。

その間、お部屋探しが趣味みたいな私は、良いお部屋があるとやたらと引っ越したくなるのですが、その都度、引っ越したくないという娘の強い気持ちにほだされて思いとどまってきました。

娘にとっては、ここが地元なのです。また、娘が地元を好きでいてくれることは、私の望んだところでもあります。安定した生活拠点があることは、子どもの成長の助けになるんじゃないかとも思われ、そういう視点から住む場所を選んできた面もあります。

そしてまた最近、たまたま家賃が破格なわりに手入れが行き届いたお部屋を見つけてしまい、娘にどうか?と相談したら、下記の理由により却下されました。

通学時間は短縮されるものの、通学経路がペケ。◯◯駅の乗り換えは溢れかえる人混みに加え、◯◯駅から学校の最寄り駅までラッシュに堪えるのは無理だと。

朝の通勤通学の時間帯に◯◯駅を使うのってそんなに大変なのか、と興味深く聴きつつ、実は私自身にも別の面から迷いがありました。それは、お部屋はいいお部屋なのですが、水害の可能性です。最近のゲリラ豪雨地震の可能性を考えると、海抜とか地盤に関しては現在住んでいる地域は絶好の環境なのですが、今回見つけたお部屋がある地域は、浸水や津波に対する心配がどうしても消えない。

というわけで、私自身も却下を決めました。今回見つけたお部屋と現在のアパートの家賃の差額3万円は、安心代ということなのか。月3万円浮かせると、年間36万円になり、今後の娘の教育費に当てられるとか思ったりしてその気になりましたが、あえなく断念します。

現在のアパートでは、うちは下の階のファミリーに次いで2番手の古い住人になります。娘は、アパートのヌシにでもなったかのように根を生やしています。