娘が中学生になって、
初めて一緒に映画を観に行きました。
娘のリクエストから、
観たのは『DESTINY 鎌倉ものがたり』です。
私が西岸良平さんの作品が好きで、自宅には『鎌倉ものがたり』や『三丁目の夕日』、『たんぽぽさんの詩』ほか、西岸良平さんの作風の変化が感じられるくらい古い短編集などたくさん置いていました。
もともと青年漫画ジャンルの作品で、ルビが振っていないのですが、それを娘は小さい頃から読めないなりに読んでいました。
山崎貴監督の作品を観るのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』三部作以来です。
ファミリーのようなおなじみの役者さんを観られるのがうれしい。
例えば、
三浦友和さん
(『ALWAYS 三丁目の夕日』で、「メリークリスマス!」と言うサンタクロースの後ろ姿は本当に素敵でした!)
飯田基祐さん
(ずっと好きだったのですが、ここに記すにあたり初めて名前を調べました。今までずっと名前を知らずに来たこと自体我ながら驚きです)
そのほか、出演される役者さんのラインナップが好きな人ばかりというのも楽しみにしていた理由の一つでした。
原作がある映画作品は、どうしても原作のイメージと重ねて観てしまいがちです。西岸良平さんの漫画作品と、山崎貴さんの映画作品は全く別物でありながら、根底にある作品愛でつながっているという感じは受けました。
娘は私以上に漫画作品の登場人物が頭に入っていて、映画作品ではこの人がこの人でと言っていました。
私自身は、高畑充希さん演じる亜紀子にギャップを感じてしまいました。亜紀子は、20代前半ですが、年齢よりも幼く、小学生にも間違われるというキャラクター。女性というより少女のような可憐さがあって、そういう目で見てしまうと、高畑充希さんの存在感はちょっと強すぎるように感じました。
ストーリーとしては、漫画作品を映画作品に昇華し切った『三丁目の夕日』ほどには、映画作品独自の完成度として物足りない感じがしました。
ところどころで、ぐっと胸をつかまれるポイントはあります。
本田(堤真一さん)と本田が残してきた妻子に思いを寄せるヒロシ(ムロツヨシさん)の絡みとか、
お母さんの不倫相手で実は本当のお父さんなのではないかと疑われる作家(三浦友和さん)とお母さん(鶴田真由さん)に一色先生(堺雅人さん)が再会する場面とか、
死神(安藤サクラさん)の出番が多いとか、
タンコロと親しまれる江ノ電の100形電車が登場したりとか、
など部分的に面白いのですが、
一色先生が亜紀子を救出する、
亜紀子が親切にした貧乏神(田中泯さん)に最終的に助けられる、
という単純すぎる展開のせいか、一人一人の内面描写が浅くなってしまい、ダイナミックな感動というところにまで至らなかったような気がします。
最後まで気になったのは、本田のその後でした。
以上、私の感想なんですけどね。
宇多田ヒカルさんの主題歌は素敵でした。
エンドロールが終わるまでその歌声に聴き入ってしまいました。
また、プログラムが売り切れで買えなかったのは非常に残念です。