亡くなった知人のブログが、今も生きている。ブログを読む限り、亡くなったことがまだ夢のようだ。どちらかというと、知人より知人の奥さんの方が私にとって関わりが多かったが、ご夫婦と知り合ってから３０年になる。そして５年前に、突然知人が亡くなった。
若い時はほぼ飲み仲間のようだったが、娘が生まれてからは、家族ぐるみで児童館や水族館などご一緒してもらった。お宅にお邪魔して、知人の手料理をご馳走になったこともある。思い出すと可笑しくなるが、料理好きを自称する男の料理はこだわりが強い。大人の私はおいしくいただいたが、子どもの娘には難しい味だった。娘の微妙な表情を見ながら、気持ちうなだれていた知人の横顔が今も目に浮かぶ。
知人が亡くなってから、私はたまたま知人のブログの存在を知った。しかし、私から奥さんにそのブログのことを言い出せない。奥さんはおそらく、知人がブログを書いていたことを知らないのではないか。奥さんやお子さんの当時のショックを思うと、なかなか言い出すきっかけを見つけられずにここまで来てしまった。
ブログでは、お子さんへの愛情が今も満ちあふれている。まさかこんなに早く亡くなってしまうなんて、ご自身もご家族も思っていなかっただろう。あまりにも突然だった。
当時小学生だったお子さんは、今では高校生になっている。お子さんの成長を、知人もどこかの空から見守っているだろうか。
