君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

『三度目の殺人』を観る

映画館のポイントカードの有効期限が迫り、ポイントが失効する前に本当はこももと一緒に来たかったけれど、こももはテスト勉強でそれどころじゃない。こももの「行ってくれば?」というコトバに背中を押されて観に行ってきた。『三度目の殺人』はこももも観たいと言っているので、また今度一緒に行くという交換条件のもと今日は一人で。

昔はよく一人で閑散とした小さな映画館をハシゴしていた。映画館に来ている人々の風景を観るのも好きだった。最近じゃなかなかできないことだ。

レディースデーの水曜日に映画を観に来るのも久しぶり。今日目に飛び込んできたのは、自分よりざっと一回りか二回りか上くらいの女性が多数。そのほか、ご夫婦らしきカップル、お孫さんもいそうな感じの男性が一人で、など時間がゆっくり流れているような風景。客席はほとんど埋まっているのに、週末には味わえない穏やかさがある。こんな時間の過ごし方ができたら、自分まで悠々自適な気分を味わえるおまけが付いてきそうで、たまにはいいかもしれない。

スクリーンの風景を観ながら「ここはどこなんだろう?」と隅から隅まで集中して魅入ってしまう。風の音、温度、季節を感じる。これもまた、一人で映画を観に来た時に体感できる醍醐味だ。

舞台は、多摩川の土手から始まったらしい。残念ながら当てられなかった。そんなに残念でもないけれど。

是枝監督の映画作品を映画館で観るのは、これが初めてだ。「『海街diary』観たいね」と少し前にこももと話しながら観に行けなかった。テレビ放映では『そして父になる』を観たことがある。

今日は、私の観たい役者さんばかり続々と出てきて驚いた。予備知識なしで観に行ったので。

監督の肩書きの1つにテレビドキュメンタリー演出家とあるのを見て、なるほどと思った。あるがままの風景を一部切り取ったような描かれ方。作品の中で「人の意思に関わらず・・・」という台詞が何度か出てくるが、まさにそんな感じ。その前にも後にも風景は続いている。その中を人が右往左往している。本当はわからないことをわかったようなことにはしない。ストーリーなんてそもそもないに等しい。

というわけで、いろいろ自分なりの感想や読みはありますがネタバレはありません。こももに「ネタバレなしで!」と釘を刺されているので約束は守ります。