君と歩いた道

シングルマザーもものブログです。公立の中高一貫校に通う娘がいます。

小6夏の転塾

私の独断と偏見で熱く語ってしまいますよ。

そして、長いです。要注意ですよ・・・

(1)決断するまで

小学5年生の2学期から通っていたb塾(公立中高一貫校受検対策)をやめたのは、6年生の1学期が終わるタイミング。夏休みが始まる前だった。

まず、b塾をやめるに至った理由や経緯などを思いつくまま列記してみる。

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こももの学習面

・作文が入塾前より人が変わったようにダメになった

・理系はそこそこ伸びたが、総合的には入塾した当初がいちばん成績が良かった(適性検査型模試の結果の推移)

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こもものb塾との関わり方

・成績に反比例するように、こももはb塾にハマっていく

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b塾の営業のあり方

・塾長はハーメルンの笛吹きのように、子どもの気持ちをつかむのがうまい(こももだけではなく、他の子たちを見ていて感じた)

・授業時間の長さ、学校が長期休業中の講習や合宿、夜遅くまで塾に残って自習したりと隙間ないスケジュールで、考える間を与えない

・オプション講習は辞退できないわけではないが、相応のプレッシャーを子ども、保護者ともに受ける

・子どもに営業する

・子どもが、欲しいものをねだるように講習や合宿をねだるようになり、我が家の方針では不要と話して聞かせても納得しにくくなっていく

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塾長の情報非公開(というよりそもそも情報がないのかも)

・保護者会では、オプション講習の宣伝ばかりで、学習方法やスケジュールの組み立て方などのガイダンスはない

・個人面談では、子どもの得手不得手、不得手な面における工夫などのアドバイスや提案は一切なく、こちらに一方的に喋らせて聞き上手に徹する

・こちらの問い合わせに対する回答が返ってこない

・知る人ぞ知るような志望校に関する生の情報がない(受検関連の分析や傾向は既知のデータばかり)

というわけで、6年生の1学期がスタートした頃から少しずつ違和感を持つようになったが、その違和感に対して私自身もハッキリした確信を持てず、それでもこももが塾をやめたくないというので、様子を見ながら悩みながらの数ヶ月を費やした。

こももをよく知る近しい人に相談すれば、「こももちゃんが行きたくて行っているなら、やめないで見守ってあげた方が・・・」と言われることがほとんど。この時期の転塾についてネットで調べても、慎重論が一般的だった。

(2)決断の決め手は作文

こももがやめたくないというのに、それでもやめることを決めたのは、こももの学習量と成績が連動していないこと、問い合わせに対して回答が返ってこないこと、そして何よりいちばん大きな理由は、こももがへんな作文を書くようになってきたことだ。

こももは作文が得意だった。私もこももの書く作文が大好きだった。それは、こももの言葉で書く作文だったからだ。こももの実感が伝わってくる、こももにしか書けない作文だったからだ。それが、だんだんこももらしくない作文を書くようになっていく。こももの言葉じゃない、誰かの言葉で、継ぎ接ぎだらけの作文を書くようになっていく。言いたいことがわからない作文。「これ、本当に自分でそう思って書いたの?」と聞くと、こももは「・・・」と首をかしげる。自分で書いているのに、自分が何を書いているのかわかっていない。

合格するかもしれないが、合格しないかもしれない、そういう公立中高一貫校の受検で、こんなふうな勉強をしていて、もし落ちたら泣くに泣けない。学習方法が合っているかどうか確信が持てないまま、もし落ちたら、塾の言うような「さあ、これから気持ちを切り替えて、高校受験を目指して頑張ろう!」なんて思えない。塾が敷いたそんなレールにまんまと乗せられるつもりはなかった。

やるからには合格を取っていくつもりで、適した学習方法を選んで納得して学習していく。そうじゃないと、落ちた時の諦めがつかない。精一杯できるだけのことをやったと思えない。

もちろん費用だってかかっている。受かったらラッキー!みたいな軽いものじゃない。塾に頼る最低限必要なものを取捨選択して、あとは自分で勉強する。言われたことをただ漠然と機械的にこなすだけで、自学の方法を身につけないことには、きっと合格はない。合格しても入学後に息が上がるのは目に見えている。

学校の先生からは、こももちゃんなら塾に行かなくても、特別なことは何もしなくても充分その力があると言われていた。その当時は、こもものことを認めてくれることがありがたい反面、そんなこと言って先生!何を根拠に?と心の片隅で思ったりした。

塾をやめる直前のこももは、泣いてやめたくないと訴えた。それでも苦渋の決断をした私は、ひょっとして鬼母だったかもしれない。理由を話して聞かせても、その時のこももには受け止められなかった。

受検前の年末あたりから、少しずつ私の意図をわかってくれるようになった。

(3)受検を終えて

b塾で合格した子は、こももの親友1人だった。週2通って、日曜特訓も合宿も一切参加しなかった、塾に残って夜遅くまで自習することもなかった、その子だけだ。その子は塾も塾長も好きじゃなかったけれど、お母さんに行きなさいと言われて淡々と通っていた。志望校には、こももと一緒に行けるなら合格したいなと言う程度の、マイペースで落ち着いた子だ。

毎日塾漬けだった子たちは、誰も合格しなかった。その子たちは、受検直前は学校を休んで塾で勉強していたそうだ。そこまでしたのに不合格。ちなみに、こもももその親友も、受検前に学校を休むことは1日もなかった。

こももが夏期講習から通い始めたa塾では、一貫クラスがあったけれど、こももは入らなかった。ベースはb塾の退塾と同時に再開した通信教育で勉強して、a塾では個別1コマと適性検査の共同作成問題、志望校の独自問題それぞれの対策で週3日通った。そしてその塾で合格したのも、こもも1人。一貫クラスに籍を置いていた子たちを含め、こもも以外誰も合格しなかった。ちなみにその塾では、受検前に子どもたちに学校を休ませるようなことはなかった。

このことから何を学ぶか。

塾は宣伝ではわからない。宣伝はあくまでも宣伝(というか私はその宣伝方法に引いていた)。人気があるかどうかでもない。さらに塾の中身については、実際に入ってみないとわからない。合うか合わないかで片づけられるなら簡単なようだが、その合うか合わないかが意外と重要で、そこを見定めるために最終的に頼りになるのは、保護者自身の野生の勘だ。

受検が終わった後に、子どもが受検勉強を通してどこまで子どもなりの適性を伸ばせたか。自分で学ぶ力をつけたか。合格か不合格かはゴールではない。