君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

現代の親離れとか子離れとか

子どもの親離れはともかく、親の子離れは自ら意識して少しずつ進めていかないと、実践するのはなかなか難しいのではないかと考える。場合によってはそれが、子どもの親離れの障壁になるかもしれない。

少し前に、毎日かあさんの西原さんが連載を卒業したというニュースを聞いた。西原さんは、親離れ子離れを卒母と表現した。連載終了に掛けたリアル卒母。下のお子さんが中学卒業後のタイミング。巷では早いんじゃないかという声も聞かれた。そういう中での決断は、誰かの真似とか忠告から生まれたのではなく、ご自身とお子さんたちとの関係性の中で、自分の中から湧き上がってきたここぞというタイミングだったのだろう。

少子高齢化で子どもの経済的自立が難しいとも言われる昨今。親子の相互依存を奨励するかのような社会。お互いに助け合うといえば聞こえがいいが、現実は離れられないのだ。声高に貧困を叫ばなくても、いつそういう状況に置かれるかわからないということは想像に難くない。だから、子どもの自立を阻むことだけはしたくないと親は心算をする。

そして我が家の今、こももは中学1年生になり半年が過ぎようとしている。順調に行けば、大学卒業まで10年。

子どもの心と体の成長という観点から考えると、中学卒業くらいまではまだ子ども。子どもの自立を支えながら、親の責任で制限をかけることが必要な面もある時期。家庭によってその範疇はさまざまなのかもしれないが、我が家では、成長期の心と体に明らかに良い影響を与えないと考えられることはストップをかける。

子どもの成長に応じて、少しずつ制限を緩和していきつつ、家庭内の約束事は共有していく。仮に守られないことがあっても、なし崩し的に消滅させない。中毒性のある電子機器などの普及や、電磁波が飛び交う環境の拡がり、世の中の親子の関係性の変化とともに、それがままならない面が小さくないとしても、淡々と根気良く。

そういう親の姿勢を見せていくことが、ゆくゆくは子どもの自立を促すのではないか。大切なのは、親の存在感を通して子どもが安心できること。

親が子育てで自信を失くしたり弱気になったりした時に思い出したいことは、子どもに引き摺られることではなく、親の立場で子どもを信頼すること。子どもの過渡期を見守ること。子どもはきっと大丈夫。そう信じてあげること。

子どもがいつか親元を離れる時には、健康な心と体で飛び立ってほしい。