(1)小学生の自由研究
子どもの頃、自由研究というと理科の実験とか観察をやって考察するというワンパターンなイメージしか思い浮かばず、特に理科や社会など今の小学校でいう生活科というジャンルに小学生の私はさしたる興味もなかったので、自由研究は夏休みに重くのしかかるテーマだった。
そんな私がこももの親になって、改めて親の立場で小学生の自由研究を体験してみると、ちょっと様相が違う。
というのも、最近は自由研究のガイドブックのようなものが本屋さんやネットに溢れかえり、何をやったらいいのかわからなくても、その中からどれかを選んでそのとおりにやればできてしまうという、実に便利なというか恵まれたというか、子どもにとっては至れり尽くせりな時代。指南書のようなものを容易に子どもに与えてしまうことの善し悪しはあれど、正直ラクできる今の子どもたちが羨ましい。
こももが3年生の時、夏休みの教材を物色しに大型の本屋さんに足を運んでみると、自由研究フェアとか読書感想文フェアなど華々しい特設スペースが組まれて、平積みにされたたくさんの本が人目を引いていた。それを見ただけでも、夏休みの課題が何とかなりそうな頼もしい気持ちになれる。その時に購入した下記の冊子を、こももは6年生まで使い倒した。
すぐできる!よくわかる!学研キッズネットの自由研究 小学生
(学研教育出版/2011年6月第1刷発行、2013年6月第3刷発行)
全52テーマが下記の4分野に分かれてまとめられている。
・科学実験の自由研究(15)
・観察・環境調査の自由研究(14)
・社会科・調べ学習の自由研究(11)
・工作・フリーアートの自由研究(12)
その中からこももが選んだのは、
・小3(2013)
旅行の思い出すごろく(社会科・調べ学習の自由研究)
こもものアレンジ:7月に行った熊本旅行の行程をすごろくにする。また、熊本について調べる。
・小4(2014)
歴史巻物を作ろう(社会科・調べ学習の自由研究)
こもものアレンジ:アンネ・フランクの生涯とその歴史的背景を調べる。
・小5(2015)
セロハン湿度計(工作・フリーアートの自由研究)
こもものアレンジ:エースをねらえ!の岡ひろみの顔をモチーフにして作る。
・小6(2016)
歴史巻物を作ろう(社会科・調べ学習の自由研究)
こもものアレンジ:源義経の生涯とその歴史的背景を調べる。
こうして見ると、セロハン湿度計はやや理科の分野だけれど、それ以外は地理と歴史の分野であることに気づく。
ちなみに1〜2年生の夏休みは、学童で作った何か(プライムとか)を「これでいいや!」とそのまま提出物として持っていったりしてかなり適当だった。
子どもの学習意欲を引き出すコツは、子ども自身が興味を持つこと。興味を喚起する何かに出会うこと。そこに行き着く前に、自分はどうせやる気なし子ちゃんだし、なんて決めつけてしまうのはもったいない。子どもには、自分を見つける新しい出会いや発見をたくさんしてほしい。そのために親などは、それとなく子どもの視界に入るように、それらしいものをそこかしこに配置してみたりするのだろう。
(2)中学生の課題レポートなど
こももが通う公立中高一貫校の夏休みの宿題は、レポートの課題が多いとか、参考書や問題集1冊丸ごとどかんと出されるとか、内容もボリュームも重く、書くこと(記述)が苦手だとキツイらしいぞと入学前から(受検前から)脅かされていた。
いざ蓋を開けてみると、確かに各教科ごとに課題レポートは多く、参考書や問題集1冊どかんというのもそのとおりだが、内容はそれほど難しくない。やればできる。しかしとにかく量が膨大で、さらに手間がかかる課題が多いので、いっぺんにやろうとしても無理。コツコツと計画的に進めないと終わらない。根気が要る。そこが学校のねらいなんだろうか。
言ってみれば、こももが抱えるこの夏休みの宿題の数々は、小学生の時の夏休みの宿題の延長線上にある。小学生の時の復習ドリルや自由研究、読書感想文や読書カード作りが、量も質も中学生ヴァージョンに応用された形で課されている。当然といえば当然だが(というか本来は当然であるべきで当然と限らない場合もある)、そうやって、小学校から中学校へ橋渡しがされていることを実感できるのは、とてもありがたいことのように思われる。
こももの夏休みの宿題は、まだ終わっていない。こももは「終わるような気がする」と言っている。夏休みに入った当初は「終わらせられない自信がある」と言っていたので、そこからうっすら進捗の度合いがわかる。私も親の立場で、たぶん終わると思う。だって、終わらないわけがない。やればね。