君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

旅行の思い出

子連れで旅行に行くこと。最初はこれが非常に勇気の要ることでした。

小さい時は、とにかく目が離せない。子どもから目を離さずに、同時にあれこれ考え判断し行動をする緊張感と常に背中合わせ。そんな状況で土地勘のない知らない場所に、母子で行くことには、なかなか踏み出せませんでした。

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さて、ここで余談ですが、自動車にまつわる夢想をはさみます。

私は自動車の免許取得歴なし。自動車の所有歴なし。自転車は保育園の送迎のために一時必死で電動に乗ったけれど、本当に危なっかしくて乗りこなすまで至らず、広い場所でのサイクリング以外では怖くて乗れない。

自動車があったら便利だなと何度思ったことか。教習所に通うことも考えたけれど、そもそも通う時間がない。仮に通うとしたら、その間のこももの預け先をどうするか。託児所がある教習所はあるのかもしれないけれど、小さいこももを私の目の届かない場所で見ず知らずの人に預けるのは厳しい選択。

また、仮に自動車を所有するとして、購入代金、維持費はどれだけかかるのか。経験がないから予想の範囲だけれど、免許を取ったとしてあと何年乗れるのかなど費用対効果を考えると、そのお金をこももの教育費に回した方がずっと有益なことは明白のような気がしてくる。

というわけで、我が家の移動手段は、公共交通機関とタクシーというところに落ち着くことになります。

ここで本題に戻ります。

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そんなわけで、子連れの旅行に一抹の不安はあれど、それでもそれでも、モノより思い出。踏み出したら止まらなくなりました。仕事柄、連休が取りにくいのと予算の関係で、1泊や2泊のプチ旅行ばかりですが、こももの笑顔をたくさん見られたことは、かけがえのない大切な思い出です。

保育園年長

鴨川シーワールド1泊2日
(2010年10月)
移動手段:長距離バス
拒食症と診断され、気持ちは完食したいのに給食が喉を通らなくなる(というか、その原因に対する)ストレスで元気を失くしていたこももを、気分転換になればと思い切って連れ出しました。小さなペンションに泊まって、お風呂でトラブルがあったりと、こももは探検気分で楽しそうだった!

1年生

・沖縄2泊3日
(2012年3月)
移動手段:飛行機
現地の移動手段:モノレール、ツアーバス、タクシー
初めての沖縄。初めて見る東シナ海の色。同じ海でも太平洋とは全く違う。次に来る時は、泳げる夏に来たい!とこもも。沖縄の歴史にも、思いを馳せました。

2年生

・松山・道後・広島2泊3日
(2012年11月)
移動手段:寝台特急、特急、新幹線
現地の移動手段:電車、坊っちゃん列車、長距離バス、フェリー、路面電車
初めての四国。漱石が愛した道後。道後と瀬戸内の海にハマりました。道後の人たちがおっとりしていてやさしかった。広島の人たちはストレートでさっぱりしていて、その対照が印象的でした。広島焼がおいしかった。

3年生

・熊本グリーンランド2泊3日
(2013年7月)
移動手段:飛行機
現地の移動手段:空港リムジンバス、電車、路線バス
私は何度目かのグリーンランド。こももは初めて。広い遊園地で、人が溢れていなくて、並ばないですぐ乗れるところが好き。起伏が激しい園内を縦横無尽に走り回るこももに、私は着いていけない。くまモンと写真をたくさん撮りました。

・四国周遊2泊3日
(2014年2月)
移動手段:飛行機
現地の移動手段:ツアーバス
2度目の四国。出発の朝、大雪で飛行機が飛ばず空港で半日つぶし、それでも何とか現地に到着。予定は縮小されて行けなかったところもあったけれど、そんなアクシデントも良い思い出になりました。四万十川の水の色が美しかった。こももの見事な食べっぷりを写した写真は見る人を笑わせてくれます。

5年生

・伊勢・賢島・スペイン村2泊3日
(2015年7月)
移動手段:新幹線、特急
現地の移動手段:電車、路線バス
お伊勢さんは私は2度目のお参り。こももは初めて。スペイン村で出会った2つ下の女の子と意気投合し、何度も何度も一緒に同じ乗り物に乗っていました。その女の子とは、住所を交換して文通をしていました。またスペイン村に行ったら、会えそうな気がします。

6年生、現在

受検生ということで、春にはどこかに行きたいねと話しながら、受検が終わるまでは旅行の計画まで気持ちが届かず、受検が終わったら卒業と入学の準備に追われ、有休を旅行に回すこともできない忙しさでした。

中学生になったらなったで、新しい環境で想像を超える超過密スケジュール。

受検対策への投資にしても、実績が見込の範囲で収まったとはいえ、その総額には呆然。入学費用もあれこれかかる。

それでも、旅行は思い立った時に間髪入れず行くことが重要です。チャンスを逃してはならない。子どもはすぐ大きくなってしまう。次の旅行の計画はいつにするか。

まとめ

それまで私は、旅行に行く夢は見ても実行する行動力に乏しく、理由がないとなかなか動けないタイプでした。そんな私の重い腰を上げさせる子どもの存在には、並々ならぬエネルギーを感じます。こんなに楽しい奇跡をたくさん生み出してくれて、こももには本当に感謝しています。そんな気持ちを、これからも、いつまでも忘れないでいきたい。

旅行から帰る時に、こももが決まって訴える「また来ようね!絶対来ようね!」というコトバに、いつも胸が熱くなります。