君と歩いた道

シングルマザーもものブログです。公立の中高一貫校に通う娘がいます。

幼なじみ

前回お話した最後の保育園。こももにとっては辛い思い出の場所ですが、いい思い出もあります。

こももには、こゆきちゃんというお友達がいます。こももが転園した4歳児クラスに、その少し前、春に転園してきた女の子です。

こゆきちゃんは、年齢にしては落ち着いていて、冷静でマイペースな女の子。あまり大人に心配をかけない。1人遊びも集団遊びもソツなくやっている。でも、心の深いところに何か難しい気持ちがあって、そういうことはあまり口にしないという面は、こももと共通しているようでした。お母さんには、「保育園は嫌い」と話していたそうです。「保育園はつまらない」と。それは、本当に保育園がつまらなかったのかもしれませんが、「保育園はつまらない」とお母さんに言いたかった気持ちもあるかもしれません。

あるお迎えの時、こももが別の女の子と言い合いのような状況になっていて、延長保育の先生からそれを報告されていた時のこと。1人遊びしていたこゆきちゃんが私のところに走り寄ってきて、「こももちゃんは悪くないの!こももちゃんを叱らないで!」と私の目をまっすぐに見て、真剣な表情で訴えてくるのです。こももをかばってくれていたのでした。

私はとても温かい気持ちになって、こゆきちゃんに「ありがとうね!大丈夫だよ!」と言いました。こゆきちゃんは納得したように、また1人遊びに戻って行きました。あまり自己主張することはなく目立つタイプではないけれど、いざという時には声を上げる頼もしさややさしさを、私はこゆきちゃんに対して感じました。

そんなことがありましたが、こゆきちゃんとこももが大の仲良しになっていくのは、小学校に上がってからです。同じ小学校に入学して、同じ学童保育に通うようになり、家も近かったので、一緒に登下校するようになりました。1人の登下校よりも2人での方が、親としても安心できました。

小学校6年間の間には、ケンカすることが一度もなかったわけじゃありませんが、滅多になく、仲が良すぎて心配になるくらい。

高学年くらいになると、成長が速かったこももはすでに思春期、反抗期で、私が言っても聞かないようなことでも、全く同じことをこゆきちゃんが言うと、こももの気持ちにしっくりなじむというか、納得できる様子。どういうこと?とそこを突っ込むと、こももは可笑しそうに笑います。

また、親の目から見て心配だったのは、こももはこゆきちゃんに何でも話すけれど、こゆきちゃんはどうなのかな?こももがこゆきちゃんに甘え過ぎて頼り過ぎていないかな?こゆきちゃんに知らず知らずにガマンさせていないかな?ということ。こゆきちゃんはこももの話を丁寧に聴いてくれて、大人の対応でもっともなことを言ってくれて、こももの気持ちを軽くしてくれる。親の私よりも親らしいので、私は申し訳ない気持ちになることもありました。

でも、こゆきちゃんはこゆきちゃんで、おうちであまり話さないようなことでも、こももには話したり、こももも話されるとじっくり聴いたりと、2人の間ではあうんの呼吸で友情を育んでいるようでした。

同じ公立一貫校を受検。それまでこももの小学校では、合格者が年に1人いるかいないかという受検だったので、どっちかが受かるか、あるいはどっちも落ちるか、結果はそのどっちかを想定していたのですが、どっこい想定外の2人そろって合格。喜びを分かち合う2人の姿は、そばで見ていても胸が熱くなる光景で、目に焼き付いて離れません。

そして今も一緒に登校しています。

これからも、お互いを思いやれる確かな友情を、大切に育んでほしいです。