君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

すべて必要な経験

---テスト前の週末とかテスト1週間前になって外に遊びにいく人はいない

こももはそう言って、前々から「外語祭に行ってみない?」と声をかけていた私の誘いを早くも辞退した。今年の外語祭のキャッチコピーは「国境知らずの5日間」ということで、今年だからこそ行かなければならない何かがあるような予感がするのだが、まあしょうがない。こももが決めることだ。

私は、こももが勉強に集中したいという意欲に対してはしめしめと思いながら、学校の定期テストを受けるのにいちいち習い事を休んだり、たまの休みをどこにも出かけず勉強に費すというのはちょっと・・・どうなの?と思ってもやもやする。ふだんは部活と宿題に追われているから、学校も部活も休みの日は心置きなく勉強に集中できる貴重な日、なのはわかる。でもさ・・・

こももは、どちらかというと生真面目で、要領が良くない方かもしれない。何でも自分なりの納得が行くまでコツコツとやる。その不器用さは長所だと思うし、13歳の今だからこそそれくらい実直でいいとも思う。

だからというわけではないが、学校以外から刺激を受ける機会も担保したい。井の中の蛙にならずに、外から自分を俯瞰する心の余裕と広い視野を持てるように。学校という忙しい集団のうねりに身をまかせて、振り落とされないように必死に食らいついていこうとする様子を見ていると、そんなふうに思われてくる。

しかし視点を変えてみると、子どもが成長するときというのは、本来が愚直なものなのかな。親から見たら、ああすればとかこうすればとか口出しして、こざっぱりした方法を教えたくなるけれど・・・

成長の過程にはたくさんのステージがあって、子どもの選択や方向感覚が正しいように見えるときもあれば、間違っているように見えるときもある。その一つ一つがどんなありようだとしても、きっとどれもが必然で、行くべきどこかへ行くために通るべき道なのかもしれない。

---すべて必要な経験

というのは、エンデの『はてしない物語』を読み終えて感じたこと。私の物差しで計らずに、こももの思うようにさせてみよう。