君と歩いた道

シングルマザーもものブログです。公立の中高一貫校に通う娘がいます。

学年末考査の個票が配られました

考査後、採点された解答用紙は各科目の授業で返却されてきますから、結果はすでにわかっていた娘ですが、「どうだった?」と聞いても無言とか「最悪。順位3桁行くかも」、「そのうち個票が出るからいいじゃん」などと言って教えてくれませんでした。

そんなに最悪な手応えなのか?

と私は内心怯えつつ、日頃予想が慎重過ぎる娘でもあるので、どんなもんかなあと怖いもの見たさのような妙な期待も入り混じり個票の配布を待っていました。

その個票がやっと配布され、娘は腹をくくったように私の目の前にどーんとそれを差し出してきました。

おそるおそる中をのぞいてみると・・・

入学以来の史上最悪、前代未聞の結果がそこに!

娘にとっては予想していたよりはまだマシだったようですが、それでも「あららららー」という成績です。とりあえず私は言葉もなく「ふううううううう」とため息を漏らす以外になすすべが見つからない。

---この結果の要因を、自分でどう考える?

と尋ねましたら、

---復習してないから

と即答した娘。「それ、ぬけぬけと言っちゃう?」と私は開いた口がふさがりません。

---勉強がわからないってことはないの?

と尋ねましたら、

---それはない

と答えました。本当でしょうか。わからないことを自覚していないとか、あるいは、わからないって言えないとか、ないかい娘?下手に「やればできる」と思っているところが相当危なっかしい。

---やっても忘れちゃうんだよね

娘の発する言葉が簡単過ぎて、どこまで考えて言っているのか気になりますが、気にしていないようで気にしているとも思われますから、この結果をどう受け止めるか、どう話し合えばいいか、私はしばらく考えていました。

日が変わって、あるとき娘がポツリと

---小学生のときは、どうしてあんなに一生懸命勉強できたのだろう?

と呟きました。小学生のときは3時間勉強するのも平気だったのにと。

---そうね、小学生のときは自由時間もたくさんあったし、それこそ好きなようにやればできる勉強だったからかな。小学生のときと比べたら、今の勉強は、自分で考えて中身を理解していかないと前に進めない。サクサク進まない。だから集中力が切れて気が散る。休憩が多くなる。

---そこで諦めないで続けるためには、テスト直前のやっつけ勉強じゃ足りないし、限られた時間の中で今の今、毎日少しずつでもやると決めたらやる、誘惑に打ち克つ強い意志が必要。誘惑に負けない自分カッコいいって思うのはどう?

そんな私の話を聞きながら、娘はまた考えていました。

私も、娘の心に響くうまい言葉が見つからずもどかしいですが、この転がり落ちていく経験も、意味があることのような気もします。

---もしかしたら、地元中に行って高校受験をさせていた方が、無理なく学力を伸ばせたのかもしれないなんてよぎることもあるんだよ。

---とはいえ、娘が行くはずだった学区中は高校受験の合格実績がいいわりに学校の評判は今ひとつで、小学校の同級生が多く進学した近隣学区の公立中は先生の評判が高い。生徒一人一人を丁寧に見てくれるとか。

当時の娘としては、それだと小学校と似たようなアットホームな環境で変わらないからと、越境を選ばなかった。それでも「先生は大事だよね」と今の娘。結局、経験していないことをたらればで考えてもどっちが良いとは言い切れない。

---一方で、まだ新しい教育制度である公立中高一貫校での生活を経験することは、時代の経験値として考えても意味があるとも思える。

娘は、そんな私の話を聞きながら、

---復習する

と一言、自分に言い聞かせるように呟きました。