君と歩いた道

シングルマザーもものブログです。公立の中高一貫校に通う娘がいます。

校長先生のお話を聴こう

娘が現在通う公立中高一貫校を受検するに至った動機づけには、校長先生のお人柄が大きく作用しました。

お人柄といっても、入学前は学校説明会で1度や2度、3度と、壇上で話されるお話を遠くから一方的にうかがったようなことしかないので、先生の表情や語り口から受ける印象以上のものではありません。よくは知らない人なわけです。それでも、娘は校長先生に好感を持ちました。

娘のみならず、私も同じです。この校長先生は、良い先生だなと直感的に思った。この先生のお話をもっと聴きたいなと、娘にも聴かせたいと思いました。

入学して校長先生が異動になり、学校を離れることになったときは、公立学校の宿命とはいえ、本当に残念に思いました。せめて3年間くらいはお世話になりたかった。

そして、新しい校長先生はどんな先生なんだろう、良い先生だったらいいな、など期待と不安が入り混じり、人知れず注目していました。

新しい校長先生は、赴任されてから、少しずつ丁寧に学校のことを知ろうとされているのが伝わってくるやさしそうな先生。それが私の第一印象でした。一方で娘は、母と違ってそう簡単には心を許さないというか、斜に構えて慎重に観察している様子。多大な期待はしないとでも言いたげな。

娘が先生に求めるのは、良いことは良い、ダメなものはダメと、毅然とした態度で接してくれる先生。良いことばっかり言う先生をなかなか信用しないという傾向が、小学生の頃から変わらずにあります。

それが、夏休み明けくらいからでしょうか。私が校長先生のことを好印象で話すことへの娘の反応が変わってきました。何か、あったんでしょうね。ちょっとしたことかもしれませんが、娘が校長先生を見直す何かが。

私が考えることとは違って、もっと単純な何かかもしれません。

日常では、校長先生に直接関わることはあまりなく、全校集会で話されるお話を聴く程度です。

私が中高生だった頃、校長先生が誰だったか、校長先生がどんなお話をされていたか、なんてまったく記憶に残っていません。生徒たちにとっては、そんな感じなのかもしれないけれど、今娘の学校の校長先生のお話を聴いて、その深さに感動する。

先生の生徒たちへの言葉は、今目の前にいる生徒たちに響かなくても、10年後、20年後の成長した生徒たちに響いてくることを願い、辛抱強く待つことが教育なのだと、そういう教育者としての信念みたいなものを感じて感動するのです。

これは、もちろん親の立場からの思いもありますが、そこにとどまらない一人間として、という意味です。

娘は、この学校に入学して良かった。そう思えることの1つです。