君と歩いた道

2017年に公立中高一貫校に入学した娘は、2023年に大学生になりました。

偏差値の変遷

週間ダイヤモンド2017/09/16

特集「35年の偏差値と就職実績で迫る大学序列」

発売から2ヶ月以上過ぎてわざわざ買おうと思い立ったのも何かの縁ということで。

購入を後押ししたきっかけは、人の子の親になって改めて最近の偏差値を見るようになると、自分が現役だった頃の偏差値とは全く別物のような印象を受ける。かつての偏差値と現在の偏差値は、同じ数値でも同じ目安にはならないギャップを感じるが、なぜそう感じるのかがわからない。そんなときに、ちょうどいいタイミングでこの特集を見つけた。1982〜2017の間に大学が大学として存続するためにどんな変遷があったのか。

着々と進行する少子化を見据えて変化し続けてきた大学群の総まとめ総決算と、これからの子どもたちにとっての進路の傾向を読み解くカギ。30数年前のままの感覚で現在の大学進学の方向性を見定めることはできないと漠然とは思っていたが、その裏づけとなる資料を目にしていくと今さらながらハッとさせられる。

「今から30年前、約25%であった大学の進学率は女子学生の増加で約53%に達した。一方で、18歳人口は1992年の205万人をピークに、約120万人まで減少した・・・」(p26引用)

上の数値をもとにざっと計算してみると、

18歳人口205万人のうち、大学進学者数25%は、51.25万人

18歳人口120万人のうち、大学進学者数53%は、63.6万人

となり、少子化で母数が半分近くまで減少しているにもかかわらず、大学進学者数は増加していることになる。まるで大学や受験産業の企業努力の成果を表しているかのような数値だが、これをどう見るか。

例えば、単純な競争と考えた場合、30年前に掲げた目標と同じ目標を掲げて達成させるとしたら、30年前よりも上を行く必要があるということか。それで学力の質的にトントンになるかならないか。偏差値が10アップして難易度が上がっているように見えながら、実はその真逆だったりするのかもしれない。

また、私大偏差値の序列を今と昔で比較すると、慶應法学部が文系トップとか、慶應商学部が伸びている点、医学部志向など、移り変わる時代の典型のようで興味深い。就職だけが大学の価値ではないが、就職を考えたときに希望の進路に進める可能性が高くなるという基準で大学を選ぶことも志望動機たり得るとは思った。

同時に、自分を子どもの反面教師として考えると、仕事をする=就職という図式しか思い浮かばないような貧しい発想の枠内で停滞させたくないが、フリーでも就職でも結果を出していく力があるとすれば、そのどちらに転んでも道が拓ける職業を子どもが見つけられたらいいなと願う。自分が何をやりたいか、何を学びたいかなど、時代や流行が変わっても通用する職業なり自分なりのあり方、生き方の模索。大学に進学するからには、そういう学びを実現してほしい。

個人的には、私大に行く教育費があれば、英語圏ではない国で学費が無料かそれに準ずる国の大学に行かせてその生活費に充当する方が、豊かな学生生活を送れるのではないかと考えたりする。いずれにしてもセンター試験に代わる共通テストを受験して、その点数を一定以上取ることが必要になるとすると、国内の大学と併願で挑戦することになるのか。