君と歩いた道

シングルマザーもものブログです。公立の中高一貫校に通う娘がいます。

松山道後に行く〈旅の記録〉

寝台特急サンライズ瀬戸

 東京駅9番線ホームから出る、21時50分発の寝台特急サンライズ瀬戸。前回は22時00分発で個室でしたが、今回はノビノビ座席にしました。

 子どもの頃に家族で伊豆大島へ行ったときの、船内で毛布を借りて雑魚寝した思い出が懐かしく、他人との間に物理的な仕切りがないノビノビ座席ってどんな感じなんだろうと興味津々で、一度試してみたかったのです。

 乗り心地は、あまり良くありませんでした。振動が体に直に伝わって、悪夢でうなされました。窓が開けられないので暑くて、空気が薄くて苦しくて、寝苦しかったです。これは、個室でもノビノビ座席でもそれほど差はないのかも。

 今さら気づいたことかもしれませんが、寝台車で真面目に寝ようというのが間違っていたのか。寝る間を惜しんで車内を探検して、瀬戸内海に朝陽が昇るのを別車両のラウンジで待ち構えるのが正しい乗り方だったのではないかと後から思いました。ラウンジは混んでそうな気もしますが。

 日の出は座席の窓から見ましたが、海はそれほど間近には見えませんでした。

 といいつつ、寝台車に乗るまでのワクワク感が好きすぎて、また乗ると思います。

 

◇ 坂出から特急いしづちに乗り松山へ

 今回乗った特急いしづちは、残念ながら車窓が雨の跡で汚れていて風景を観る楽しみが半減しましたが、乗り心地は良い電車です。朝陽が差し込む時間帯に乗るのがきっといちばん楽しめるのだろうと思います。

 松山に着いたのはお昼少し前。JR松山駅にある観光センターで伊予鉄乗り放題+観覧車無料のチケットを買って、松山市駅に移動。まずいよてつ高島屋の屋上にある観覧車に乗りました。

 松山3回目ですが、この観覧車に乗るのは初めてです。お天気も良く、松山全貌が見渡せました。また来たら乗ろうと思います。

 次に、いよてつ高島屋レストラン街の名代つるちゃんで伊予うどんを食べました。おつゆがカルボナーラみたいなクリーミーなおうどん。このお店とメニューは娘が選び、私も追随したのですが、驚くほどおいしかったです。全然しつこくなくて、おつゆも残さずきれいにいただきました。

 昼食後、伊予鉄坊っちゃん列車ミュージアムに行ったら休みで、その足で子規堂に行きました。子規や漱石の若い頃の写真や原稿、ところどころの石碑に記されている俳句、与謝野晶子の短歌などを目にしながら、その時代や心情を想像しました。

 坊っちゃん列車は、初めて来たときに乗ったので今回は乗りませんでした。

 宿に荷物を預け、さてどこ行くかと考え、とりあえず松山城へ。松山城は前にも行ったのに、今回もまずは松山城に行きたいという。迷路のような城の中をてっぺんまで上って、結構いい運動になります。

 

◇ 早朝の道後温泉、子規記念博物館

 次の日の朝、道後温泉は6時からなので10分前くらいに行ったら、もう並んでいる人たちがいました。女湯より男湯の方が混むようです。私たちはそれほど待たずに入れました。

 道後温泉はまだ工事中で、当初は工事中は営業されない予定だったそうですが、使えるところを使って営業を続けているそうです。今回は、入口が裏にありました。

 朝のまだ暗いうちの道後温泉はいいなと思いました。また行こうと思います。

 この日はほぼ終日雨。結構な土砂降りでした。午前中は子規博物館をゆっくり観て回りました。子規についてそれほど知らない私でしたが、生まれた1867年(慶応3年)は明治元年の前の年で、漱石と同い年。漱石と出会うまでと出会ってからと、その生涯をたどりました。

 食べることに貪欲だった子規は、本当に食いしん坊だったのかもしれませんが、体が生きようと食べることを欲していたようにも感じられました。病気による肉体的な痛みや苦しみを客観的に見据えて、そうして生きることが仕事のように、少しでも長く生き延びようとしていたように見えました。

 子規の周りには、子規を支えて協力しようとした人がたくさんいました。愛されキャラというのか。その人望の厚さにも目を向けずにはいられません。

 

坂の上の雲ミュージアムは次回にお預け

 その後、雨の中をランチどうするかお店を探しあぐね、歩き疲れて大街道から少しはずれたとある店に飛び込みハンバーガーを食べました。お店に入ってから、どうもここは飲み屋さんぽいぞと気づきました。店内の雰囲気は娘には良くなかったですが、まあおいしかったです。

 そして、今回こそ行きたかった坂の上の雲ミュージアム。道に迷った挙句、たどり着いたら休みでした。確か前はたどり着けず力尽きて断念したのです。前の日に行っておけば良かったと思いましたが後の祭り。また行きます。

 

道後温泉ふなや

 和室、お部屋食、ふかふかのお布団を敷いてくれる、源泉掛け流し、露天風呂がある、などが今回の宿に求めたこだわりです。加えて、道後でいちばん古い宿、漱石ゆかりの宿というのが、最終的にふなやに決めたポイントです。

 特に、お料理が素晴らしかったです。量はそんなに多いと感じないのに、食べ終わるとお腹いっぱい。いろいろな味のものを少しずつ、目で楽しみながら味わいました。

 お部屋も良いお部屋でした。眺望も良く、窓も開けられました。外の空気を入れられるというのがうれしかったです。広々として、体を伸ばしてくつろげました。

 次回来るときは、漱石と子規が食べたというビフテキ丼をぜひ食べたいです。今回は予約しておらず食べられませんでした。

 

◇ 切符がない!

 宿に着いて荷物の整理をしていたとき、帰りの乗車券がないことに気づきました。みどりの窓口で買って、自宅に帰ってから切符を並べて写真に撮ったのですが、そこには写っています。買ったときは確かにあったということです。何故ないのか。

 どこかで落としたのか。盗難に遭ったのか。しかし盗難だとしたら、財布の中から乗車券だけピンポイントで抜くだろうか。特急券はちゃんとある。ああわからん。まったく見当がつきません。宿に落とし物の連絡をしたり、JRのサイトで切符を紛失した場合どうしたらいいのか調べたり、慌ててもしょうがないと思いながら大慌て。最悪の場合、もう一度買うことになります。

 帰りにJR松山駅の窓口で、状況を説明してどうしたらいいか相談しました。すると駅員さんが「ちょっと待っててください」と言って奥に行き、戻ってきて「これじゃないですか」と差し出された2枚の切符。こ、これは、私と娘の切符。

 行きで松山の改札を出るときに、自動改札ではなく駅員さんに切符を手渡したそうなんですが(覚えていない)、行きの乗車券と帰りの乗車券を間違えて渡していたらしい。駅員さんもそのときは気づかず、あとから切符をチェックしていて気づいたそうで、念のため取っておいてくれたそうです。

 ありがとう。本当にありがとう。気づいてくれてありがとう。取っておいてくれてありがとう。戻ってきてくれてありがとう。

 松山、また来ます。

 

◇ 特急しおかぜで岡山へ

 松山を後にして、特急しおかぜで岡山へ向かいました。特急しおかぜと特急いしづちは宇多津駅で分かれ、しおかぜは岡山へ、いしづちは高松へ向かいます。行きは海を渡ってからいしづちに乗ったので、帰りはしおかぜに乗って海を渡り、岡山からのぞみに乗りました。

 のぞみは指定席を取りましたが、普通車にしました。名古屋あたりまではあっという間だったのですが、その後が非常に長く感じてくたびれました。次回はグリーンにしようかな。

 以上、旅の記録でした。